ブートストラップ 人間の知的進化を目指して〜ダグラス・エンゲルバート、あるいは知られざるコンピュータ研究の先駆者たち〜
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彼は、一九六二年の論文で個人の知的有効性を改善するために再構造化するための仕組みとして概念フレームワークを考え、階層的システムとシンボルと概念の操作という後の構造主義の考え方(ソシュール流の構造言語学の考え方といった方がよいかもしれないが)とロラン・バルト流の記号論的な考え方を述べている。当時は、それらが哲学としても最新の考え方であり現在では認知心理学や知識マネジメントとして知られている概念である。しかもそれらの考え方を実際にシステムとして実現しようとし努力したところに彼が評価されるべき点があると考えられる。
(大橋正和による日本語版解説、448ページ)